おびしゃ(御歩射)
― 貞福寺に伝わる厄除け・息災の古儀 ―
『おびしゃ』とは、御歩射、御奉射、御奉謝、御毘舎などと書き、古来より弓矢をもって災厄を祓い、五穀豊穣・無病息災を祈願する日本の伝統行事です。弓で的を射ることで、その年の豊作を祈願する新年の行事であり、関東地方、とくに利根川沿岸一帯の地域に多くみられる行事です。
一般には神社の神事として知られておりますが、八千代市吉橋の尾崎地区においては、古くから貞福寺の年中行事として今日まで厳修されてきました。
神仏習合の信仰を今に伝える行事
本来、村落の信仰においては、神社と寺院が一体となり地域を守護してきた歴史があります。
おびしゃもまた、そうした神仏習合の信仰形態の中で受け継がれてきた行事の一つです。
吉橋の地においては、村の安寧と人々の暮らしを祈る役割を貞福寺が担い、僧侶が導師となっておびしゃを勤めてまいりました。
この形は、地域の信仰のあり方を今に伝える大変貴重な文化的遺産といえます。
真言密教の教えと「おびしゃ」
真言宗において、弓矢は煩悩・疫病・悪縁を断ち切る破魔・調伏の象徴とされます。
おびしゃは単なる行事ではなく、
• 仏の加護を請い
• 災いを退け
• 新たな一年の安寧を祈る修法的意味合いを備えた厄除けの儀として、今日まで大切に守られてきました。
未来へ受け継ぐために
貞福寺にて祈願した毘沙門天、妙見菩薩のお札をお祀りし、地域の皆さまと共に守り伝え、先人の祈りと信仰の心を次の世代へと受け継いでいくことを願っております。




